第2回講演会のご報告【次世代スーパーマイクロサージャリー研究会】

次世代スーパーマイクロサージャリー研究会は、各研究分野における医工・産学の研究者等が一同に会し、それぞれの最先端の研究動向を把握するとともに、次世代スーパーマイクロサージャリーにおける将来の新たな研究課題とその実用化の可能性について検討することを目的に発足しました。本研究会において、当該分野における産学官連携・医工連携および共同研究体制の確立を行い、関連技術の産業化・実用化をめざします。また、新たな医療技術の啓発や医工連携の推進に加え、今後ニューノーマルとなる「オンライン研究会」の新たなモデルを確立し、可能性を実証してまいります。本研究会発足から初の主催となるオンライン講演会は、2020年10月14日から計6回、月に一度の開催で、この度、第2回を終えました。

 

この報告書では、『 超微小外科・再建外科の新技術 〜教育とトレーニング〜 』 をテーマにした第2回についてまとめます。

次世代スーパーマイクロサージャリー研究会による第2回オンライン講演会を、2020年11月25日(木)18時よりZoomウェビナーを使って開催しました。『 超微小外科・再建外科の新技術 〜教育とトレーニング〜 』 をテーマに、医学と工学の分野から4人のパネリストが登壇しました。マイクロからスーパーマイクロへと発展する超微小外科・再建外科の動向や、高度な手技を要する手術のハードルを下げ、成功率を上げるための手術器具の開発、低コストで直径1mm以下の生きた血管を使った手術トレーニングを可能にする研究、医師の暗黙知を可視化する医療プラットフォームの実用化など、話題は多岐におよびます。聴講には、企業から26名、医師と工学系のアカデミアから20名で、合計46名が参加しました。

 

培った医工学のノウハウを超微小外科・再建外科へ

超微小外科と工学による医工連携を推進し、国内から海外へと医工学の輪を広げる取り組みとしてスタートしたオンライン講演会の第2回は、次世代スーパーマイクロサージャリー研究会会長の光嶋勲氏(広島大学病院 国際リンパ浮腫治療センター 特任教授 センター長)、副会長の柏野聡彦氏(みらいメドテック代表理事)、副会長の岡本淳氏(ソニア・セラピューティクス株式会社 取締役COO)の挨拶ではじまりました。

光嶋会長は、冒頭で「開催はまだ2回目だが、今後は海外の専門家もお招きして国際的な活動へと広げていこうと考えている。今日は、スーパーマイクロサージャリーにおける新たな医工連携を考えるきっかけになる先生がたをお招きした」とパネリストを紹介。続いて、柏野副会長は、「本研究会が目指すものとして、スーパーマイクロサージャリーの手技を生み出してこられた光嶋勲先生の頭の中にある次の時代のスーパーマイクロサージャリーをみんなで描き出すことではないかと考えている。医学と医療、様々な分野の工学、企業の方々との連携による医療機器等の開発につなげていく。光嶋先生は国内外で人材を育ててこられたので、国際的な連携チームを実現できるのではないか期待している」と述べました。岡本副会長からは、「医工学の研究者として、スーパーマイクロサージャリーの発展に寄与する可能性が感じられる工学の技術開発と世界に展開する医療教育コンテンツの開発について、それぞれ最先端のお話をお伺いする。工学の成果とスーパーマイクロサージャリーの技術を結びつけるきっかけになればと思う」と述べ、第2回のプログラムの狙いを紹介しました。

講演についての報告は、以下の演題をクリックしてご覧ください。(現在、更新中です。青字になっている演題をご覧ください。)

● 第2回 11月25日(水)18:00〜20:00

『 超微小外科・再建外科の新技術 〜教育とトレーニング〜 』

頭頸部再建の最新動向
 光嶋 勲 氏
 広島大学病院 国際リンパ浮腫治療センター 
 特任教授 センター長 

「がん切除後の再建」
 中川 雅裕 氏
 浜松医科大学医学部附属病院 形成外科
 特任教授

ニワトリ胚を用いたバイオ医療プラットホームの開発と応用
 川原 知洋 氏
 九州工業大学 大学院生命体工学研究科
 准教授

「治療室スマート化による多次元教育コンテンツ開発」
 本田 泰教 氏
 株式会社OPExPARK
 代表取締役社長兼 CEO